2022年5月の思いがけない火災により、蔵が全焼の憂き目に遭ってしまった茨城県結城市の結城酒造。
「結ゆい」「富久福」ブランドで全国的な人気の酒蔵の火災のニュースは衝撃をもって受け止められ、全国から支援の輪が大きく広がり、なんとか蔵を再建して醸造を再開してほしいという声が高まりました。
全国からの支援を背景に、蔵元夫妻は酒蔵の再建を目指し、浦里社長は同じ茨城県内の来福酒造さん、奥様で杜氏の浦里美智子さんは遠く北海道の三千桜酒造でそれぞれ蔵人として働きつつ、それぞれの蔵の設備を間借りする形で「結ゆい」の醸造を継続することになりました。

「結ゆい」の灯火が消えることなく、新たな地で再興できたことはとても喜ばしいことです。
今回新たな挑戦として、２つの酒蔵の協力の下、全く同じスペックと同じ時期に結城酒造お得意の雄町米を使用した純米吟醸を醸しました。
蔵も水も造り手も違うなかで、夫婦競作とも言えるお酒「結ゆい・純米吟醸 雄町 生原酒」の誕生です。

こちらは浦里美智子杜氏が醸造責任者となって醸した「三千桜酒造（みちお）」バージョンです。

岡山県の山崎農園で栽培された無農薬雄町を全量使用し、大吟醸並みの50％まで高精白をした贅沢な仕込みです。
酵母も今季から茨城県のSYS酵母に変更となり、搾りたてのフルーティーでフレシュな味わいはどちらも感じられますが、北海道の仕込み水の違いから、美智子杜氏のお酒の方がややシャープな印象でやはり違いを感じますね。

ぜひ飲み比べを楽しみつつ、結城酒造の再建にお力をお貸しくださいますようお願いいたします。